傷つくということについて

「傷ついた」と言えるひとは なんだか神聖な香りがするといつも思う

「傷ついた」と言えるひとほど 痛みは過去になり

傷の奥にある 純粋な想いに触れることができる


失敗の奥には 表現したかった愛がある

失恋の奥には 大切にしたかったひとが必ずいる


痛み、傷と愛は両翼なのだと思う

傷だけだと 嫌に卑屈で 愛だけだとふわふわと浮いてしまうのだ


だからこそ若者は なんだか浮いたような存在だし

成熟した大人は 神聖さと生々しさが共存しているのだと思う




いつか傷ついたことを そっと抱えて生きているひとが

とても多いんだってことも 


歳を重ねるごとに 傷をひらいて 乾かして 新しい皮膚を作ることが

とっても憚られることなんだってことも よくわかってる


でもね その傷は 愛のひとかけらでしかないってことを

ぜったいに 忘れないで



傷つかない強さよりも 傷ついてると言える弱さをもって 


 「傷ついちゃった」 って陽に晒せたら

いつか ちゃんと  前よりも ずっと 丈夫な  皮膚ができるから  


ほんとうに痛いのは いま 傷があることじゃなくて

いつか 誰かを傷つけたことだって 気づくだろうから


だいじょうぶ。ひらくこと、さらすこと。

Little Love Letters

まだ見ぬ世界の美しさたちへ

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